過去の株価リターンによって将来の株価リターンが予測できると考えるテクニカル分析の有効性については、従来から検証されてきた。このテクニカル分析の有効性について、曜日との関係という視点に着目するきっかけとなったのは、「月曜順張り効果(Twist of the Monday)」の発見からである。月曜順張り効果とは、月曜の株価騰落率が前週金曜日の株価リターンから影響を受けることを言う。こうした先行研究を受けて、本研究では短期の逆張り指標の曜日別有効性の違いを分析する。
株式市場や為替市場において、月末前後の株価パフォーマンスが高い(TOM:Turn of the Month「月替り効果」)ことが知られている。これは、投資家の資金ニーズなどが月末近辺に発生することが原因となっているのではないかと言われている。これまで、こうした「月替り効果」を計測する際に、月末からの営業日ベースでの近さが問題にされてきた。しかしながら、月末近辺に休日が来る場合、暦ベースでの月末との近さと営業日ベースでの近さとの間には差異が存在する。そこで、本研究では「月替り効果」を計測する際に営業日ベースでの計測を行うのが望ましいのか、それとも暦ベースでの計測を行うのが望ましいのか、検討を加える。