月替り効果

 

株式市場において、月末前後の株価パフォーマンスが高い(「月替り効果」)ことが知られている。これは、投資家の資金ニーズなどが月末近辺に発生することが原因となっているのではないかと言われている。

米国株の金利局面別周期性分析
株式市況は経済ファンダメンタルズなどの外部環境から大きな影響を受けて形成される。本稿では、米国長期金利が低下する局面と上昇局面に場合分けし、株価リターンを集計・比較した。こうした金利局面の場合分けに加えて、株価の季節性を考慮することで、投資成果を年率3%程度改善することが可能となった。
179-米国株の金利局面別周期性分析.pdf
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日本株の月上旬パフォーマンス
日本株の株価パフォーマンスの月内変動を観察すると、月上旬は下落しやすく、中旬から下旬にかけて上昇しやすい傾向が見られる。また、騰落率の水準は、月ごとに若干異なっているものの、概ねハロウィン効果と整合的な動きになっていることが確認された。
139-日本株の月上旬パフォーマンス.pdf
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国内REIT市況の月内変動
国内REIT市況には、月前半に下落しやすく、月後半に上昇しやすいという月内変動のパターンが強く見られる。こうした特徴は、国内債券市況にも見られることから、両者の間には投資家行動の共通点が示唆される。
138-国内REIT市況の月内変動.pdf
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REIT市場における月替り効果
月末・月初における株価騰落率が有意に高くなる現象は、月替り効果(TOM)として知られている。株式以外でもTOMが観察されるため、分析対象を内外の株式及びREIT市場に広げて、TOMを享受しやすい市場や営業日の特定を目指す。本稿の分析の結果、日本のREIT市場におけるTOMは非常に強力であることが明らかとなった。また、上昇時期と下落時期が比較的鮮明であることから、TOMの対象資産として優れた特性を有する。
137-Jリート市場における月替り効果.pdf
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ブラジル市場におけるカレンダー効果の組合せ
ブラジル市場をはじめとした新興国の株式市場は、長期的な期待リターンが高い上、アノマリー効果も大きいことから、魅力的な投資対象と考えられる。ただ、こうした市場におけるカレンダー効果は分析があまり進んでいない。本稿では、ブラジル市場におけるカレンダー効果およびテクニカル指標を組み合わせて利用した場合の投資成果を検証していく。
134-ブラジル市場におけるカレンダー効果の組合せ.pdf
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“短期逆張り週中効果”の季節性
過去の株価リターンによって将来の株価リターンが予測できると考えるテクニカル分析の有効性については、従来から検証されてきた。このテクニカル分析の有効性について、曜日との関係という視点に着目するきっかけとなったのは、「月曜順張り効果(Twist of the Monday)」の発見からである。月曜順張り効果とは、月曜の株価騰落率が前週金曜日の株価リターンから影響を受けることを言う。こうした先行研究を受けて、本研究では短期の逆張り指標の曜日別有効性の違いを分析する。
52_短期逆張り週中効果の季節性.pdf
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暦ベースTOM
株式市場や為替市場において、月末前後の株価パフォーマンスが高い(TOM:Turn of the Month「月替り効果」)ことが知られている。これは、投資家の資金ニーズなどが月末近辺に発生することが原因となっているのではないかと言われている。これまで、こうした「月替り効果」を計測する際に、月末からの営業日ベースでの近さが問題にされてきた。しかしながら、月末近辺に休日が来る場合、暦ベースでの月末との近さと営業日ベースでの近さとの間には差異が存在する。そこで、本研究では「月替り効果」を計測する際に営業日ベースでの計測を行うのが望ましいのか、それとも暦ベースでの計測を行うのが望ましいのか、検討を加える。
39_暦ベースTOM.pdf
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月替り効果が強く出る期間の考察
月替り効果が強く出る期間はいつからいつまでなのであろうか? 本研究の分析により、日経平均株価を投資対象とするのであれば、月末の4営業日および月初2営業日の合計6営業日の「月替り効果」を享受することが有効であるものと考えられる。
14_月替り効果が強く出る期間.pdf
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月替り効果の季節性
株式市場において、月末前後の株価パフォーマンスが高い(「月替り効果」)ことが知られている。これは、投資家の資金ニーズなどが月末近辺に発生することが原因となっているのではないかと言われている。ただ、こうした「月替り効果」に季節性があるのかどうか、という点についてはこれまで分析されてこなかった。そこで、本研究では「月替り効果」の季節性について分析を行う。本研究の分析の結果、月替り効果は株価の季節性からは独立であることが確認された。したがって、こうした独立なアノマリーを複数用いることで、高い運用成果を得ることが可能となる。
10_月替わり効果の季節性.pdf
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アノマリー研究所

    ( Since 2011.11)

当初はカレンダー効果を中心に分析しておりましたが、足元では資産運用全般へ関心が移りつつあります。 

 

 

これまでの分析結果を分野別に編集し、書籍風にまとめてみました。(2016.3)