夜間リターン(夜間超過収益率)

 

株価リターンを夜間と昼間に分けて集計すると、夜間のリターンが圧倒的に高い。これは、夜間には論争への参加者が少なく投資家の意見の違いが小さくなることや、投資家の売建て投資制約の存在、機関投資家のリバランス要因、さらには我々の体内時計が心理面に与える影響などが要因と考えられている。

 

 

夜間超過騰落率への順張り戦略
日本株の夜間超過騰落率は、米国株の昼間騰落率への連動性が高い。ただ、両者は完全に一致するわけではなく、両市場のファンダメンタルズなどからも影響を受けて変化する。では、日本株変動率が米国株に比較して大きい場合には、その後の日本株の昼間騰落率はどのような動きを取りやすいのであろうか。本稿の分析の結果、日本株の夜間騰落率が米国株の昼間騰落率に過剰反応する際には、その後の日本株の昼間騰落率も大きくなりやすいことが判明した。
169ー夜間超過騰落率への順張り戦略.pdf
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市場間の連動性と昼間株価騰落率
市場間の資産価格には一定の連動性がある。日本株市場においても、海外株式市況や為替市況との連動性が見られるため、これを利用することで、株価の予測可能性向上が期待できる。本稿の分析の結果、日本株の昼間騰落率は米国株や為替市況の動きから影響を受けていることが示唆された。
140-市場間の連動性と昼間株価騰落率.pdf
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為替市場における夜間超過収益率
本稿では、USD/JPYを例にとり、為替市況を昼間と夜間に分けて観察する。夜間は市況変動が相対的に小さい上、USDが上昇しやすいという特徴が観察される。これを日本からの外貨投資という観点から見れば、株式市場などで見られる夜間超過収益率と同様の特徴が為替市場でも生じているものと解釈できる。さらに、ハロウィン効果などのカレンダー効果は為替市場では主として昼間の時間帯に生じていることが明らかになった。
128-為替市場における夜間超過収益率.pdf
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為替市場における夜間超過収益率とゴトウビの影響
為替市場は株式市場などの有価証券市場とは異なり、市場参加者のポジションが一方に偏ることないため、価格の上下対称性が保たれやすいと考えられる。この結果、株式市場などと比較すると、アノマリーが発生しにくい可能性がある。しかしながら、本稿の分析によれば、為替市場においても、夜間超過収益率の存在や、月初などの特定日には円安方向に振れやすい傾向が確認された。
127-為替市場における夜間超過収益率とゴトウビの影響.pdf
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夜間超過収益率と自律神経の日内変動
我々の心身状態は、自律神経の影響を受けて周期的に変動している。身体面では、血圧の日内変動がよく知られており、朝、起床前から上がり始め、日中の時間帯で高くなり、夕方から夜に活動しなくなると下がり、睡眠中はさらに低くなるという変動を繰り返している。一方で、心理面では不安レベルの日内変動が明らかとなりつつある。不安レベルは、朝低く、夕方から夜にかけて高まるものと考えられている。こうした、心理的な日内変動は株価変動にも影響を与えている可能性がある。
126-夜間超過収益率と自律神経の日内変動.pdf
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昼間株価騰落率の予測を用いた投資戦略の研究
夜間と昼間では株価騰落率は大きく異なり、夜間は昼間よりも圧倒的に高いリターンが得られる。しかしながら、これを実際の投資戦略に利用する場合、取引回数が多くなり、売買コストが嵩んでしまう難点がある。そこで、本稿では昼間株価の上昇が予測されるときのみ、昼夜ともにポジションを取ることで、売買コストの削減を目指す。
122-昼間株価の予測を用いた投資戦略の研究.pdf
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10分割相互評価法を用いた昼間株価のアノマリー分析
回帰分析などを用いて、将来の株価を過去のデータから予測しようとするとき、予測式が過去データに過適合してしまい、予測能力が極端に落ちることがある。こうした過適合の有無を調べる方法として、10分割相互評価法がある。本稿では、アノマリー効果を利用した回帰分析によって昼間株価の騰落率を予想するが、その際の予測能力を確認することを目的に、10分割相互評価法を利用してアウトオブ・サンプル期間の投資成果を分析する。本稿の分析の結果、回帰分析を利用した昼間株価の予測能力は比較的高いことが判明した。
121ー10分割相互評価法を用いた昼間株価のアノマリー分析.pdf
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株価日中騰落率を利用したアノマリー組合せ効果の検証
株価は夜間に上昇しやすく、昼間に下落しやすい。また、株価騰落率以外でも夜間と昼間では株式市況は異なる特色を持つ。これは、取引時間によって、市場参加者の投資行動が時間帯によって異なることが原因と考えられる。こうした前提の下、本稿ではアノマリー効果の組合せが昼夜それぞれの株価騰落率にあたえる影響を分析する。
120-日中騰落率におけるアノマリー組合せ効果の検証.pdf
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テクニカル指標と月齢周期を考慮した夜間中間投資戦略
株価騰落率を夜間と昼間に分けて分析すると、夜間は上昇しやすく、昼間は下落しやすい。こうした顕著な差異が生じる理由は、時間帯により投資家行動が異なるためであろう。株価騰落率以外でも、テクニカル指標が夜間と昼間では有効性に差異が生じることが確認されているが、これも異質な投資家行動が一因となっているものと考えられる。本稿では分析をさらに一歩進めて、夜間と昼間で、カレンダー効果がどのような違いが見られるのか、分析を行う。本稿の分析の結果、テクニカル指標からみると下落しやすいと判断される局面であっても、新月近辺の時期には株価が上昇しやすい時期が存在することが判明した。
119-テクニカル指標と月齢周期を考慮した夜間昼間投資戦略.pdf
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夜間超過収益率とテクニカル指標
株式市況には、夜間に上昇しやすく、昼間に下落しやすいという特徴がある。当然、株価騰落率だけでなく、他の市場特性も昼と夜では異なることが予想される。本稿では、順張りや逆張りといったような比較的シンプルなテクニカル指標について、昼間および夜間で有効性にどのような差があるのか、分析していく。本稿の分析の結果、直近の夜間株価騰落率が昼間より低い局面では、夜間株価騰落率は高くなりやすく、昼間株価は低くなりやすいという結果が得られた。
118-夜間超過収益率とテクニカル指標.pdf
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夜間超過収益率とカレンダー効果
株価騰落率は、昼と夜とでその様相が一変する。夜間には株価は上昇しやすく、昼間には下落しやすい。このように時間帯によって様相が全く異なる市場を分析する際のであれば、それぞれ別々の分析を行うことが望ましいだろう。本稿では、代表的なカレンダー効果について、昼間と夜間それぞれを別々に分析することで、アノマリーの大きさの違いなどを分析していく。
117-夜間超過収益率とカレンダー効果.pdf
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天候と株価の昼間騰落率
株価には、夜間に上昇しやすく、昼間に下落しやすい傾向がある。したがって、夜間のみ株式を保有すれば、非常に高いパフォーマンスを得られる。ただ、この戦略の欠点は、売買頻度が多くなるため、売買コストを負担できない可能性が高い点である。したがって、如何に売買頻度を減らすことができるか、という点が重要になってくる。本稿では、昼間の株価が上昇しやすい環境を天候との関係から特定することで、夜間に引き続き昼間も株式を保有することで、売買頻度の引き下げを目指す。
116-天候と株価の昼間騰落率.pdf
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夜間超過収益率と体内時計
株価リターンを夜間と昼間に分けて集計すると、夜間のリターンが圧倒的に高い。これまで、夜間には投資家の意見の違いが小さいことや、投資家の売建て投資制約の存在、機関投資家のリバランス要因等が背景と考えられてきた。こうした要因とは別に、本稿では、体内時計が夜間超過収益率を引き起こす一因となっている可能性について検討していく。
115-夜間超過収益率と体内時計.pdf
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夜間超過収益率
株式市場では、夜間の株価リターンは昼間のリターンと比較して非常に高いことが知られている。こうした夜間の超過収益が生じる原因として、夜間には投資家の意見の違いが小さいことや、投資家の売建て投資制約の存在、機関投資家のリバランス要因等が考えられている。本稿では日本市場における夜間超過収益率の存在を確認した上で、夜間超過収益率を活かした投資戦略を検討していく。
114-夜間超過収益率.pdf
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アノマリー研究所

    ( Since 2011.11)

当初はカレンダー効果を中心に分析しておりましたが、足元では資産運用全般へ関心が移りつつあります。 

 

 

これまでの分析結果を分野別に編集し、書籍風にまとめてみました。(2016.3)