Alexandra Swanson, Dennis Ikanda, Hadas Kushnir,

"Fear of Darkness, the Full Moon and the Nocturnal Ecology of African Lions"(2011)

July 20, 2011DOI: 10.1371/journal.pone.0022285,

   http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0022285

  • 肉食獣の夜間の行動が人間の心理形成に大きな影響を与えてきた。
  • 人間にとってライオンが最も危険な時間帯は、闇夜である。(1988年から2009年までの南部タンザニアにおける1000件以上のライオン襲撃データに基づく)
  • ほとんどのライオン犠牲者は日没後に襲われている。(犠牲者の60%が18:00~21:45の時間帯に襲撃されている)
  • また、夜明け前にもライオンに襲われる件数が多いが、これは早朝の祈りの際に襲撃されたケースが多い。
  • 月光が弱い新月近辺の時期は、夜間にライオンに襲撃される件数が多い。
  • さらに、満月後の数日間は月の出が日没後になるため、日没後数時間はライオンに襲われる件数が顕著に高い。(満月後10日間に襲撃される確率は満月前10日間に比べて、2~4倍高い)
  • 満月前の数日間は、日没前に月が出るためライオンが餌を得にくく、空腹状態になる。満月を過ぎると、日没後に月が出るためライオンに襲われやすい環境になる。
  • 「満月」そのものは危険ではないが、間もなく危険な時期が到来する予兆の役割を果たす。


Cajochen et al.,

”Evidence that the Lunar Cycle Influences Human Sleep"

Current Biology (2013),

http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2013.06.029

  • 脳波図における分析を行うと、満月の際にはノンレム睡眠中のデルタ活動が30%低下する。これは深い眠りが得られていないことを意味する。また、他の期間に比べて、眠りに落ちるまでの時間は,5分間多くなり、睡眠時間は20分間減少する。
  • この結果、睡眠の質は低下し、メラトニン量の低下を招く。

   http://www.chronobiology.ch/wp-content/uploads/publications/cajochen_2013-06.pdf

 


C P THAKUR, DILIP SHARMA,

"Full moon and crime ",

  • 満月の日は犯罪発生率が他の日に比べて大きい。

   http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1444800/pdf/bmjcred00533-0087.pdf

 

 

Michał Zimecki,

"The lunar cycle: effects on human and animal behavior and physiology"

  • 交通事故や犯罪、自殺などの行動は月齢周期と関係あるように見える。しかしながら、多くの研究が両者の関係を否定している。 
  • 実験室レベルでは、月齢サイクルがネズミの味覚感度に影響を与えることが知られている。 Cyclic 
  • メラトニンや内生ステロイドが生理学的プロセスの仲介となっている可能性がある。神経ホルモンの分泌は月齢サイクルから影響を受けている可能性がある。

 

Dichev, Ilia, and Troy Janes,

"Lunar cycle effects in stock returns"

  • 月齢が人間行動に与える影響に対する追試はほとんどが否定的な結果。これは自殺のような極端な人間行動との関連を研究しているためであり、サンプル数が十分に得られないことが原因。
  • 金融市場のように長期データが揃っているものと月齢との関連を調べるほうが、統計的に有効な分析を行いやすいはず。
  • 米国株(1962-2000)について分析したところ、新月近辺(新月±3日)のリターンは満月近辺のリターンの2倍程度になっており、5~8%のリターン格差が見られた。
  • 米国以外の株式についても24ヶ国について分析したところ、新月近辺のリターンは満月近辺のリターンよりも7~10%程度高いことが判明。

http://zonecours.hec.ca/documents/E2008-1-1629870.texte20lunarcycle.pdf

 

Yuan, Kathy, Lu Zheng and Qiaoqiao Zhu,

"Are Investors Moonstruck?  Lunar Phases and Stock Returns"

  • 48ヶ国について分析を実施。満月近辺は株価下落、新月近辺は株価上昇。
  • 月齢サイクルは他のカレンダー効果からは独立して存在。
  • 年率リターン6.6%を実現。
  • 新月効果は新興国の方が顕著。小型株の方が顕著。

http://www.valentino-salvato.com/Astrology/pdf/Are_Investors_Moonstruck.pdf

 

Liu,

"Lunar Calender Effect: The Influence of the Chinese Farmer's Almanac on the Equity Markets in East Asia"

  • アジアでは旧暦に基づいた行事(大安とか)が投資家心理に影響し、株式市場のアノマリーを生む。
  • 特に、台湾と韓国で影響が大きい。
  • (私)であれば、アジア市場のほうが月齢サイクル効果は大きいのかな?

  http://www.mgmt.uestc.edu.cn/prc/papers/IWIF-II%20Liu+Miller.pdf

 

David,

"Large scale significance testing of the full Moon effect on deliveries"

  • 満月近辺に出生率が高いことを実証研究。フランスの40年間の日次出生率を分析。

  http://hal.archives-ouvertes.fr/docs/00/48/27/43/PDF/fullmoon.pdf

アノマリー研究所

    ( Since 2011.11)

当初はカレンダー効果を中心に分析しておりましたが、足元では資産運用全般へ関心が移りつつあります。 

 

 

これまでの分析結果を分野別に編集し、書籍風にまとめてみました。(2016.3)