Hallahan, A Terrence, Robert W. Faff, and Michael D. McKenzie,

"An Empirical Investigation of Personal Financial Risk Tolerance"  2004

  • 豪州の約20000人のデータを分析した結果、リスク許容度に大きく影響するのは、性別、年齢、扶養人数、結婚、収入、財産である。
  • リスク許容度は年齢とともに低下する。この理由は、
    従来: 若者は損失を取り戻すための時間があるためと考えられてきた。
    新説: 脳内の酵素が年齢による変化で説明できると考えられている。

http://www.riskprofiling.com/Downloads/Monash_RMIT_Report_Faff&Co.pdf

 

Zaleskiewicz, Tomasz,

"Beyond Risk Seeking and Risk Aversion: Personality and the Dual Nature of Economic Risk Taking"

  • リスクを伴う行動には2つのタイプがある。
    ①将来の経済的な目標を達成するための手段。 ②強烈で即時的な感情の興奮を得るための手段
  • ①将来の経済的な目標を達成するための手段: コントロール、損失の影響の大きさが非常に重要、想定しうる損失に注意を集中する、長期的な視点に立った意思決定
  • ②強烈で即時的な感情の興奮を得るための手段: 制御不能、損失の影響の大きさは重要ではない、感情的なプロセスが重要、想定しうる利益に注意を集中する、衝動的な意思決定
  • 衝動的な行動選択は、本人も気が付かないポジティブな気分に伴ってなされるもの。(私: 天気がいいとポジティブな気持ちになるので、衝動的に株を買ってしまうのか?)
  •  

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/per.426/abstract

 

Riley, Neil F., and Manuel G. Russon,

"Individual Asset Allocation and Indicators of Perceived Client Risk Tolerance",1995

  • 投資家のリスク許容度への理解は進んでいない。
  • リスク許容度の推定方法すらないことは驚くべきこと。
  • リスク許容度の説明モデルには、説明変数として投資ホライズン、給与水準、給与増加率、年齢、性別、結婚、子供の数などが考えられる。
  • 当研究の実証分析でCFAの顧客について分析した結果、
    投資ホライズンと給与水準はリスク許容度にプラスの影響、
    結婚と子供の数はマイナスの影響が或ことが判明した。

http://www.studyfinance.com/jfsd/pdffiles/v8n1/riley.pdf

 

Lucey, Brian M.,

"The Role of Feelings in Investor Decision-Making"

  • ムードが株価に与える影響 のサーベイ論文
  • ケインズのアニマルスピリッツも感情が経済活動に影響を与える例 と解釈できる。
  • 感情に基づく意思決定により、最適解の探索にかかるコストを省くことができる。

http://www.csb.uncw.edu/people/cinerc/Courses%20Web%20Page/fin%20335/role%20feelings%20investor%20decision%20making.pdf

 

Grinblatt, Mark, and Matti Keloharju,

"Sensation Seeking, Overconfidence, and Trading Activity"

  • フィンランドでは確定申告データと運転記録、心理プロファイルデータを結びつけることができる。このデータを利用して分析。
  • 自信過剰な投資家は刺激追求型の株式取引を行いやすい。
  • 男性は女性に比べて株式取引を行いやすい傾向があるが、この原因について2つの仮説がある。①男性は自信過剰である仮説、②男性は刺激追求型である仮説。
  • スピード違反件数が刺激追求度の代理変数となるとすると、年齢別推移は株式取引件数とパラレルな推移を示している。
  • スピード違反する人ほど株氏取引を頻繁にする傾向が見られる。
  • 心理テストの結果から個人の自信過剰度を計算できる。この自信過剰度を株式取引件数の関係を調べることが可能。 ⇒ 株式取引件数の説明には刺激追求度の方が自信過剰度よりも有効。

http://www.afajof.org/afa/forthcoming/4409.pdf

 

Worthington, Andrew C,

"The decline of calendar seasonality in the Australian stock exhange, 1958-2005"

  • 週替り効果の要因: ①情報開示仮説、②受渡日仮説、③情報処理仮説 がある。
  • 月替り効果の要因: ①ポートフォリオ・リバランス仮説、②月末資金繰り仮説、③会社情報開示仮説 がある。
  • 年替り効果の要因: ①節税行動仮説、②年末資金繰り仮説、③会社情報開示仮説 がある。

http://www.uow.edu.au/content/groups/public/@web/@commerce/documents/doc/uow015907.pdf

Lauterbach, Beni and Meyer Unger,

"Real vs. Nominal Stock return seasonalities: Empirical Evidence"

  • イスラエルでは週初(日曜日)の株価リターンが非常に高く、週末の株価リターンが低い。これは他国のアノマリーとパターンが異なる。
  • イスラエルは物価上昇率が高かったので、この物価調整後の株価リターンで分析すれば、週初のリターンは低くなり、他国と同様のアノマリーパターンになる。

http://www.biu.ac.il/soc/sb/stfhome/lauterbah/publications/17.pdf

 

Marberly, Edwin, and Daniel Waggoner,

"Closing the Question on the Continuation of Turn-of the-Month Effects: Evidence from the S&P 500 Index Futures Contract"

  • 1990年以降、コストの安い先物市場ではTOMが消えている。こうした流れは現物市場にも広がりつつある。

http://www.frbatlanta.org/filelegacydocs/wp0011.pdf

 

Marquering, Wesel, JOhan Nisser and Toni Valla,

"Disappearing anomalies: a dynamic analysis of the persistence of anomalies"

  • アノマリーは消えつつある。週末効果、TOM、規模、月末効果などを検証。
  • データスヌーピングがあるとすれば、アノマリーの発見時にはアノマリーがあっても、発見後はアノマリーが消えるはず。(実際に消えているという主張)

http://www.wesselmarquering.com/hedgefunds/media/Dynamic_Analysis_Persistence_Anomalies_by_Wessel_Marquering.pdf

 

 

 

アノマリー研究所

    ( Since 2011.11)

当初はカレンダー効果を中心に分析しておりましたが、足元では資産運用全般へ関心が移りつつあります。 

 

 

これまでの分析結果を分野別に編集し、書籍風にまとめてみました。(2016.3)