先行研究

先行研究 · 20日 10月 2024
PEGレシオ2倍以下のROE5分位
米国株(ダウ工業株指数採用銘柄)について、PEGレシオ2倍以下の銘柄のみを投資対象とし、その銘柄の中でROE水準による5分位に分けた分位別の運用パフォーマンスを分析してみた。図7がその分析結果であるが、ROE水準が高い第1分位や第2分位の銘柄群が高いパフォーマンスを示している。この銘柄群の中では、ROEによる銘柄選定が有効に機能する可能性がある。
先行研究 · 01日 10月 2024
リスクプレミアムが大きいと、リターンも大きい
『証券市場の真実』(エルロイ)によれば、「投資判断を下す際の唯一最重要な変数は株式のリスク・プレミアムである」と主張されている。実際、同書の101年間のデータを見るとそうした傾向が観察される。 こうした傾向は足下でも続いていると思うが、自分でも追試してみたい。
先行研究 · 01日 10月 2024
”自社株買いはなぜ株価上昇につながるのか?” という点が私の中でこれまでしっくりこなかったのですが、榊原論文を読んで少し納得しました。榊原では、企業の手持ち現金の減少に伴い、現金運用に関連して政府に支払う税金が割引現在価値の分だけ、企業価値が向上する、と主張されています。 「自社株買いのアナウンスによる株式価値の増加」(榊原)
先行研究 · 23日 9月 2024
割安株投資の有効性
『証券市場の真実』(ディムソンら)によれば、アメリカにおいて、割安株は長期的に優れたパフォーマンスを示してきたとされている。たしかに、過去101年間のパフォーマンスを見るとそのような特徴がみられる。 こうした傾向は今後も続くのであろうか? 1つ注意したい点は、近年のROE水準の上昇とそれに伴う株価バリュエーションの高まりである。PBRが1倍を超えると、企業は収益を配当に割り振ることが好ましくなくなる。特に近年のようにPBR水準が5倍程度まで上昇する環境下においては、配当を行っても株主が受け取る配当利回りは非常に低くなる。 過去において、ここまで株価バリュエーションが高くなるケースは少なかったため、配当利回りを評価基準とした株式銘柄選択が有用であった可能性がある。今後もPBRが非常に高い状況が続くのであれば、高配当投資の有効性は低くならざるを得ないのではなかろうか。
先行研究 · 21日 9月 2024
2000年までの101年間は長期債の投資家に優しくなかった
1900年から2000年までの101年間、アメリカでは長期国債の年率実質リターンは1.6%であり、短期債の実質リターン0.7%に比べて高かったが、債券のリスクはかなり高かった。 全16か国にわたる実質リターンの年率換算はわずか0.7%であった。ドイツ、イタリア、日本、フランスそしてベルギーの5か国では実質リターンの平均値がマイナスであった。 2000年までの101年間は長期債の投資家に優しくなかった。(『証券市場の真実 101年間の目撃録』ディムソンら) ーーーーーーー こうした先行研究を読むと、債券へ投資する意欲はますます小さくなってしまいます。
先行研究 · 20日 9月 2024
『証券市場の真実』ディムソンら
過去101年間にわたる長期の証券市場を分析した良書。 「アメリカ経済はこれまでに比類ない成長を遂げてきたのであり、各国の投資家にとって、アメリカの過去の経験を元に将来を推定することは危険である。」点などを述べている。 実際に、同書のデータで作図してみると、米国株のパフォーマンスは良い。とは言え、劇的な差異があるまでではないとも思う。現在の世界市場に占める米国経済の割合も考えれば、米国株を分析とした研究は引き続き有用と思う。 一方で、株式の平均的なリターン水準の水準感を得るには、こうした超長期のデータは非常に役に立つ。米国では株式リターンを6%と仮定したフィナンシャルプランが一般的と聞いたことがあるが、過去101年間のデータを見た後では、6%というリターン水準を前提としたフィナンシャルプランは余裕に乏しい計画のように思える。

アノマリー研究所

    ( Since 2011.11)

当初はカレンダー効果を中心に分析しておりましたが、足元では資産運用全般へ関心が移りつつあります。 

 

 

これまでの分析結果を分野別に編集し、書籍風にまとめてみました。(2016.3)