「自社株買いのアナウンスによる株式価値の増加」(榊原)
法人税が存在する世界では、自社株買い行為それ自体が理論的に株式価値を高めることをMM理論をもとに論証。自社株買いによって現金のペイアウトが起きるが、自社株買いの形で株主にペイアウトせずに企業内に保有し続けた現金資産の運用に関連して政府に支払う法人税額の割引現在価値の額だけ、企業価値がたかまり、これがPBR上昇を引き起こす。
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株式市場での「解散は買い」のアノマリーは有効か-2000年以降の衆院解散・総選挙と海外投資家売買動向
2000年以降に実施された7回の解散・総選挙を確認すると、日経平均が7勝0敗、TOPIXが6勝1敗と、確かに株価は上昇していた。
森下千鶴, 2021, 「株式市場での「解散は買い」のアノマリーは有効か-2000年以降の衆院解散・総選挙と海外投資家売買動向」,研究員の眼, 2021-10-13,ニッセイ基礎研究所, https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=69034?site=nli
株式市場での「解散は買い」の アノマリーは有効か.pdf
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Bollen, Mao and Zeng

"Twitter mood predicts the stock market", 2011

米国の全ツイートを収集、分析。「落ち着き」「不安」カテゴリーの分類語句がダウ工業株指数の3日後の値と非常に高い相関がある。

http://hughchristensen.co.uk/papers/socialNetworking/1010.3003v1.pdf

健康&天気予報

http://www.bioweather.net/bws/

脳はなにかと言い訳する
人間は「先入観」に踊らされやすい(ニッケ博士(2006年))
被験者に化合物を食べさせる。事前に「とても不快」という情報を与えられた被験者は、「少し不快」という情報を与えられた被験者に比べて、本来の苦さ以上の苦さを感じた。
「甘さ」よりも「苦さ」において先入観が強く生じた。
 不快な情報は、快楽よりも先入観から影響を受けやすい。
 これは、不快な感情が脳の原始的で根源的な部分で判断されるため。
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「脳はあり合わせの材料から生まれた」 ゲアリー・マーカス
人の脳:一番古い“後脳”: 恐竜から人まで生存に欠かせない呼吸、平衡感覚、警戒などの諸機能をつかさどる。 次に古い“中脳”: 視覚・聴覚反射の協調を図る。眼球の動きなどの諸機能を担当。 最も新しい“前脳”: 言語や意思決定にかかわるが、古いシステムに依存することもままある。
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「脳は意外とおバカである」コーデリア・ファイン
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Bailie Richard and Sanders Chang,

"Carry trades, momentum trading and the forward premium anomaly",2008

  • UIPに回帰が生じるのはボラティリティが大きい局面
  • キャリー取引はボラティリティの大きい局面で損失をこうむる

https://editorialexpress.com/cgi-bin/conference/download.cgi?db_name=SNDE2009&paper_id=34

 

Biglova, Almira, Toe Jasic, Svetlozar Rachev, Frank Fabozzi,

"Profitability of momentum strategies: Application of novel risk/return Ratio stock selection criteria"

  • リターンのモメンタムは6~12ヶ月続く。
  • 上昇した銘柄は次の12ヶ月間に月間1%のリターンを生む。
  • マクロ経済面からの説明では株式市場のモメンタムは説明できない。

http://businessperspectives.org/journals_free/imfi/2004/imfi_en_2004_04_Biglova.pdf

 

Baillie, Richard,

"Carry Trades, Momentum Trading and Nonlinear Adjustments to Uncovered Interest Parity", 2007

  • 先行研究によれば、高金利通貨は上昇しやすく、低金利通貨は減価しやすい。これは、UIPの理論(FXのリターンは金利差に等しくなるはず)に反する。
  • 過去の月次超過リターンは、その後2年間程度の自己相関が続く。
  • 短期的には市況のポジティブ・フィードバックによって、均衡価格から乖離が生じるが、長期的にはファンダメンタル価値に戻る。

http://www.qass.org.uk/4thAFEQASSConferencePapers/Baillie.pdf

 

Serban, Alina,

"Combining Mean Reversion and Momentum Trading Strategies in Foreign Exchange Markets",

 2009

  • FX市場でも順張り・逆張り戦略は有効なことを10カ国の通貨で検証。
  • 順張り・逆張り戦略の有効性は、FX市場のほうが株式市場よりもむしろ大きい。
  • キャリー取引にアカデミックな注目が集まったきっかけは、Fama(1984)によって金利均衡説(UIP)が否定されたこと。
  • Fama&French(1988)やSummers(1986)では、平均回帰のみを考慮し、モメンタムを考慮していなかった。
  • 本研究では、短期順張り戦略と長期逆張り戦略を組み合わせることで高いリターンを実現する手法を提案。
  • 提案手法における係数推定を行うと、株式市場の分析結果と非常に近い係数が推定された。

http://www.be.wvu.edu/div/econ/work/pdf_files/09-14.pdf

 

 

Dittmar, Robert F., Gautam Kaul, and Qin Lei,

"Momentum is Not an Anomaly", 2007

  • モメンタム取引の有効性は、Jegadeesh and Titman(1993)で、勝者株買い&敗者株売りの運用戦略で年率8~18%のリターンが得られると発表されたことがきっかけとなり、広く認められた。
  • そこで、1926年~2006年のデータを基にJegadeesh and Titman(1993)のモメンタム戦略のリターンを20年毎に計測してみると、面白いことにJegadeesh and Titman(1993)が発表された後の20年間のパフォーマンスが最も高い。

http://qlei.cox.smu.edu/papers/Momentum_DKL.pdf

 

Lee, Yuan-Ming, and Kuan-Min, Wang,

"The effectiveness of the sunshine effect in Taiwan's stock market before and after the 1997 financial crisis"

  • 台湾株の騰落率を”米株騰落率”と”台湾の雲の量(日光効果:sunshine effect)”で回帰分析すると、雲の量の説明力は高い。
  • 1997年以降の日光効果の説明力はそれ以前よりも強まっている。

http://eshare.stut.edu.tw/EshareFile/2010_11/2010_11_ce01f305.pdf

 

Sadka, Ronnie,

"Momentum and Post-Earnings-Announcement Drift Anomalies: The Role of Liquidity Risk"

  • もし、低流動性銘柄だけがモメンタムを生むのであれば、モメンタム戦略から利益を享受することは難しい。そこで、モメンタムの原因をNY証券取引所上場銘柄について要因分解した。
  • 分析の結果、モメンタムの原因のうち、40~80%は流動性要因であることが判明した。

http://faculty.chicagobooth.edu/john.cochrane/teaching/Advanced_Asset_Pricing_GSB_35911_Econ_39502/sadka_liquidity_momentum.pdf

 

Kang, Sang Hoon, Zuhua Jiang, Seong-Min Yoon,

"Weather effects on the returns and volatility of Hong Kong and Shenzhen stock markets"

  • 天候が株価リターンへ与える影響をハンセン指数、深圳A株、深圳B株で比較すると、深圳株への影響が大きい。
  • 深圳A株に外国人投資家が投資できるようになるに従って、天候要因は徐々に薄まりつつある。

http://www.akes.or.kr/eng/papers(2010)/27.full.pdf

 

Hirshleifer, David, and Tyler Shumway,

"Good Day Sunshine: Stock Returns and the Weather", 2001

  • 朝の天候とその日の株価リターンを比較(26市場、1982年~1997年)
  • am5:00~am8:00の天候(雲の量)で晴れの場合のみ株を買えば、Buy&Holdの場合と同じだけのリターンを得られる。(私: 本当に日中リターンで計算したのだろうか? 日次リターンを使わなかったか?)
  • 雲の量については、季節調整後の値を利用した。
  • NY市場の例で言えば、晴れの日には年換算24.8%上昇し、曇りの日には8.7%上昇した。
  • 心理学の研究によれば、人間は太陽を浴びると気分が良くなる、とされている。
  • もし太陽を浴びると楽観的になるならば、晴れた日には株を買いやすくなるだろう。多分投資家は気分の良さの原因を天気のせいではなく、経済指標が良かったせいだと勘違いして。
  • 太陽と株価の関係は1993年にSaunders(1993)により最初に主張されたが、その後も両者の間の関係は消えていない。

http://www-personal.umich.edu/~shumway/papers.dir/weather.pdf

 

Harlow, W. V., and Keith C. Brown,

"Understanding and Assessing Financial Risk Tolerance: A Biological Perspective"

  • 株価を決めるのは収益予想とリスク許容度である。リスク許容度の方がずっと重要なのに研究が少ない。
  • リスクに注目が集まらない理由は、リスク許容度に対する理解が少ないため。
  • モノアミン酸化酵素の濃度( MAO-Aは主にノルアドレナリンセロトニンのバランスを調整し、MAO-Bはドーパミンの調整をつかさどる。 )が低レベルだと刺激追求型(Sensation seeking)になり、リスク許容度が高まる。
  • 男性は刺激追求レベルが高く、MAO濃度は低い。
  • 刺激追求レベルは年齢とともに低くなるが、MAOは年齢とともに高くなる。
    (私: ライフサイクル仮説で説明される投資行動は、人々が合理的に判断するというよりは、進化の過程で獲得された遺伝的な特質によるものではなかろうか? )
  • 神経化学的な作用が人々の経済的嗜好を左右している。

http://www.riskprofiling.com/Downloads/AssessingRT_Biological.pdf

 

Abadir, Karim, and Laura Spierdijk,

"The festivity effect and liquidity constrains: a test on countries with different calendars"

  • 異時点間消費モデルを用いて、株価トレンドの発生および、お祭り前後の株価アノマリーを説明。
  • お祭り効果: 祭りの前はリターンが低く、祭りの後はリターンが高い。
  • 1月効果の要因の1つは、クリスマス休暇や正月休暇の存在。
  • モデルを利用すると、①市場環境が若干変化したとしても投資家は行動しないことが予想される。その後、一定のポイントを超えると急激に投資行動を変化させる。
  • 言い換えれば、あるポイントまでは投資家は過小反応しかしない一方で、その後、過剰反応するように見える。(過剰反応が短期の株価モメンタムに見える)
  • モデルを利用すると、②祭りの時期は消費が拡大するので借入が増大し、株式現金化の行動が取られる。
  • こうした過剰反応は金融市場が未整備で借入コストが大きい新興国や小企業、個人投資家に顕著。

http://doc.utwente.nl/65956/1/1772.pdf

 

Grinblatt, Mark, and Tobin J. Moskowitz,

"Predicting stock price movements from past returns: the role of consistency and tax-loss selling"

  • 短期(1ヶ月以下)の株価リターンや長期(3年以上)の株価リターンは株価に正の方向に影響する(トレンドフォローが有効)一方で、過去12ヶ月間のリターンは将来のリターンとは反対方向に影響する。
  • 1月~11月までに下落した株は12月に大きく下落する。(節税行動のため)
    → 1月~11月に大きく下落した国の株価は12月に大きく下落するのでは?
  • 小型株で回転率が高く、個人投資家比率が高い銘柄ほど、過去のリターンから影響を受け、株価に季節性が出やすい。
  • 1月を除いて、モメンタム戦略は儲かる。

http://faculty.chicagobooth.edu/tobias.moskowitz/research/Grinblatt_Moskowitz_JFE_final2.pdf

 

Mustafa, Khalid,

"The Islamic Calendar Effect in Karachi Stock Market"

  • イスラム歴は太陰暦であり、太陽暦より約11日間短い。
  • ラマダンはイスラム歴の9番目の月。
  • ラマダン月は神聖な月なので投機や賭け事が避けられる。株式市場の出来高は減る。
  • ラマダンが明けると、人々は一気に消費に走り物価は上昇する。株価も急騰する。
  • 米国株のヨム・キップル明けやSt.Patricデー前の株価が上昇しやすいことと同様。

http://www.wbiconpro.com/313A---Mustafa,K.pdf

 

Grinblatt, Mark, and Matti Keloharju,

"Tax-loss trading and wash sales"

  • フィンランドでは12月に損失確定の株式売却が生じる。そして、その投資家は同じ銘柄を買い戻す傾向が見られた。(Tax-Loss Sellingの具体例となる)
  • 下落傾向にあった銘柄(loser株)は、Tax-Loss Sellingの結果、12月に通常月の5倍下落し、Winner株は5倍上昇する。
  • Disposition効果の結果、投資家は含み益を実現する傾向が常に見られるが、12月にはこの傾向がやや弱まる。
  • フィンランドのキャピタルゲイン課税の税率は29%

http://0-www.escholarship.org.librus.hccs.edu/uc/item/0dq642kg

 

Starks, aura, Li Yong, and Lu Zheng,

"Tax-Loss Selling and the January Effect: Evidence from Munincipal Bond Closed-End Funds"

  • 1月効果の原因は、節税効果説が有力

http://www2.mccombs.utexas.edu/faculty/laura.starks/starks%20yong%20zheng.pdf

まだ生きている太陽黒点説
嶋中雄二氏の最近のレポート

http://www.sc.mufg.jp/inv_info/business_cycle/sn_report/pdf/snm20110823.pdf
まだ生きている太陽黒点説.pdf
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嶋中雄二, 1986

「景気循環と太陽活動周期 -物理経済的アプローチ」

, 日本経済研究, NO16

http://www.jcer.or.jp/academic_journal/jer/PDF/16-6.pdf

アノマリー研究所

    ( Since 2011.11)

当初はカレンダー効果を中心に分析しておりましたが、足元では資産運用全般へ関心が移りつつあります。 

 

 

これまでの分析結果を分野別に編集し、書籍風にまとめてみました。(2016.3)